『破裂』久坂部羊 幻冬舎 2004/11 [読書 現代小説]
評価 ★★★☆☆
<内 容> 出版社 / 著者からの内容紹介
「新世紀版『白い巨塔』!」「まさに悪魔の計画書」「超新星の大胆さ」と各書評家が絶讃!
大学病院の実態を克明に描き、日本老人社会の究極の解決法まで提示する、
医療ミステリーの傑作!
<感 想>
冒頭の「痛恨の症例」だけでも十分興味深いテーマなのに、
読み進むうちに出るわ出るわ。
医療裁判、尊厳死問題、汚職事件と盛りだくさん。
もう少しテーマを絞っても良かったのでは、と思います。
あと、登場人物がみな薄っぺらい感じがしました。
それでも十分おもしろく読めましたが。
医者である久坂部氏が、一貫して問いかけてくる高齢化社会問題。
前作『廃用身』ではその解決策として
「介護負担を減らす為、動けなくなったお年寄りの手足を切断する」という
衝撃のケアが描かれていた。これを是か非かと問われれば大声でNOと言える。
しかし今回の「プロジェクト天寿」には、
なるほどそういう方法があるのか、と唸ってしまった。
考えようによっては、よっぽどこっちの方が非道なのに。
唾棄すべき提案だ!と一概に言えない自分がいます…
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