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『非色』有吉佐和子 角川書店 1967年/11月 [読書 現代小説]

   評価 ★★★★★

<内 容> 出版社/著者からの内容紹介
終戦直後、私は勤め先の駐留軍キャバレーでニグロのトム伍長を知って結婚。
初児のメアリを白雪姫と呼ぶ彼に黒い肌を持つ者の深い悲しみを感じた。
人種偏見を鋭く凝視した力作。(日沼倫太郎)


<感 想>
民族間の差別、それは暴力だ。
DNAに刻み込まれた抗いがたい暴力。

ハーレムの描写を読んでつくづくそう思った。
(今は当時より改善されているのでしょうか?)

そんな暴力に、主人公は負けない。
自分と家族の幸せを手に入れる為たくましく生きる。

しかし、彼女が最もつらかったのは
自分の中に同じ「暴力」を認めたときではないでしょうか?

ラスト、彼女が『ああ、私は確かにニグロなのだ!』そう“気付き”、
新たなる一歩を踏み出す場面に深い感動を覚えた。

巧みに配された登場人物、卓越したストーリー、訴えかけてくるテーマ、
どれをとっても素晴らしい作品です。

 


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