『精神道入門』小栗左多里 幻冬舎 2004/06 [読書 漫画・エッセイ]
評価 ★★★★☆
<感 想>
鋭い批評眼と、すっとぼけたキャラを併せ持つ著者の修行体験ルポ。
失敗談なども織り交ぜて語っているので、サクサク読めます。
瞑想の途中で、隣の人のアヒル靴下が気になっちゃうとこなんか爆笑!
瞑想、写経、座禅、滝、断食、お遍路、内観。
ワタシが興味を持ったのは断食とお遍路です。
(断食は違う目的かも^^;)
お遍路さんは年を取ったらきっとやるだろうな、うん。
四国のうどんが食べたいし。
逆に、これだけは勘弁!と思ったのは内観。
これはすごくつらそうだ。
ちょっとカルトが好みそうな手段って気もするし。
…と、修行に興味はあるけど、宗教に勧誘されるのは嫌だし
時間も無いしという方にはうってつけの一冊です。
施設の詳細や、係の人の対応も詳しく描かれてて参考になります。
『りすとカツ代のきょうびの料理』秋月りす・小林カツ代 角川書店 '06/04 [読書 漫画・エッセイ]
評価 ★★★☆☆
<内 容> 著者からの内容紹介
料理家&漫画家のグルメコラボレーション!
秋月りすさんの四コマ漫画に合わせて、小林カツ代さんがレシピを書き下ろしました。
料理が作れて漫画も楽しめる2倍お得なオールカラー・レシピ&コミック
<感 想>
秋月りす大好き、料理本大好き!
これが買わずにいられようか、と即買いしました。
んが……うーん、“製作に7年かかった”のがチョット驚きのうすさ。
正直、コミックとしてもレシピ本としても中途半端なことに
なってるような気がします。
や、でもなごむことウケアイです。
作ってみたいレシピもいくつかありました。
あと、解説がなんと大島弓子です。豪華だわ~。
『神かくし』山岸涼子 秋田書店 '98/09 [読書 漫画・エッセイ]
評価 ★★★★☆
<内 容>
「神かくし」
「神入山(神かくしPART2)」
「負の暗示」
「黄金比良坂 よもつひらさか」
「夜の虹」
上記からなる短編集。「夜の虹」は著者の超常気象体験記。
<感 想>
●「神かくし」
本当に“血は水より濃い”のだろうか?
…そう悩んだことのある人なら、この作品のラストに限りない
安堵を覚えるのではないでしょうか。
雪乃ちゃんがとても可愛いです。
●「負の暗示」
津山30人殺し事件
http://www.alpha-net.ne.jp/users2/knight9/tuyama.htm
犯罪史上、あまりにも有名なこの大量殺人事件。
関連する多くの小説や映画がありますが、私はこの漫画が最も胸に迫りました。
「これといって極悪人でも、精神異常者でもないひとりの平凡な男(本文より)」を
大量殺人犯へと変貌させる“負のサイクル”が、その妖しく美しい絵とともに
実にリアルに描かれています。
狂気と正気、あちら側とこちら側は
実はそれほど大きく隔たってるわけじゃないのでは?と本当に怖くなります。
『記憶スケッチアカデミー1・2』ナンシー関 マガジンハウス '00/02・’04/01 [読書 漫画・エッセイ]
評価 ★★★★★
<内 容> 著者からの内容紹介
恐るべき「うろ覚え」の世界!
「記憶スケッチ」とは、提示されたお題を記憶のみに頼って描くこと。
全国から寄せられた大量のサンプルが、人間の記憶のあやふやさを暴き出す。
「何でこんなになっちゃうワケ」と笑ってばかりもいられない…?
<感 想>
カタログ誌『通販生活』誌上において、同誌読者を対象に投稿を募ったもの。
<1巻のお題 例:カエル、カマキリ、海老、ペコちゃんなど>
“記憶と画力がせめぎあう”絵の数々にも大いに笑わせて頂きましたが、
(とりあえず自分のことは棚にあげてといて、と^^;)
ナンシー画伯のコメントがまた最高!絵のマヌケさをうまく“オトしてて”抱腹絶倒。
私はうっかり通勤電車で読んでしまい、よじれる腹を咳払いで必死に誤魔化してましたw
<好きな作家が死ぬということ>
「増えてるはずもないと分かっていて、つい本棚を覗いてしまう。
そしてそこには、やはり知っている書名しか並んでいなくて、
“あぁ彼(彼女)はもういないんだ”とまた悲しみを新たにする」
中島らも氏しかり、野沢尚氏しかり。
同時代を生きる作家の急逝は私の心にボディブローのようにじわじわきます。
おそらく何年経っても書店の本棚を覗いては、ガックリorz ってやってるな。
ところがナンシーの場合、本棚を覗くたび新刊が出てる!笑
(まぁファイナルカットや、文庫化という形ではありますが)
あのコラムというかイラストというか、今までにない文章の形態が様々な編集を
可能にするのでしょうが、“没後4年、途切れない新刊”はその才能を惜しむ
ファンがいかに多いかということなのでしょう。
なんにせよ、新しいナンシー本を読めるのはうれしいなっと。
次は『小さなスナック』リリー・フランキー氏との共著をロックオン。
『幸せな結婚しようね』藤臣柊子 幻冬舎 '04/06 [読書 漫画・エッセイ]
評価 ★★☆☆☆
<内 容> 著者からの内容紹介
思い込み女、空想する女、おやじ女etc.
「結婚できない女たち」を、愛を込めて一刀両断。
素敵な自分になって幸せを掴むためのヒントがたくさんつまった、
元気が出るコミックエッセイ。
<感 想>
結婚しててもしてなくても
「あー、こうゆうヒトいるいる~」と楽しめる内容だと思う。
しかし他の作品でも感じるけど、藤臣柊子って説教臭い。
読んでるとしんどくなるので、この人の文章はあまり好きではない。
(絵はかわいくてすっきりしてて、好き)
が、本作品の解説を読んで納得。
>説教の文句は全て、フジオミが自分自身に対して言っている
だそうです。う~む、なるほど。けらえいこ、ナイス解説!
そっか、しんどいのはフジオミ本人だったか…。
『新ゴーマニズム宣言SPECIAL戦争論』小林よしのり 幻冬舎 '98/07 [読書 漫画・エッセイ]
評価 ★★★★☆
<内 容> 「BOOK」データベースより
戦後53年間の見えざる呪縛の鎖を断ち切る解放の書か?
それとも戦争の悪夢を喚び起こす禁断の一冊か?
戦争とは何か?国家とは何かそして「個」とは?描き下ろしの超大作。
<感 想>
「戦争犯罪はあらゆる国が犯しているのに、どうして日本ばかりが
いつまでもいつまでも謝罪せにゃならんのじゃーっ!?」
新聞や教科書を見ても解けなかったこの疑問。
小林よしのりがスパッと答えてくれました。
私は、大音量の街宣車に眉をひそめる平凡な一市民ですが、
その歴史を含め日本を愛しているし、日本に生まれて良かったと思ってる。
(ささやかだけれど)労働と納税をもってその社会に報いたい。
…と、この漫画を読んで改めて思いました。
ただ惜しむらくは、小林よしのりが
“オンナコドモは守るべきもの”と断言していること。
根っからのマッチョなんだろうな。
子供はともかく、女は守られるだけの存在ではないと思うけど。
My配偶者はもし私の身に何かあれば、おそらく命がけで私を守るでしょう。
それはまた逆も真なり、ですよ。小林センセイ!
以下、覚えておきたい文章をいくつか抜き出します。
●「平和」という(状態)の反対は、「混乱」という(状態)
「戦争」という(手段)の反対は、「話し合い」という(手段)
●「個人」は社会のヨコ軸と歴史のタテ軸の交差する一点に位置する
●公を離脱する個は獣をしみ出すからだ。関係性の中で人は人になる。
●「公」とは「国」のことなのだ。
左翼およびサヨクも「公のために」を考えているのだろうが
その「公」の範囲が「国」ではない。「世界」なのだ。
●個と公は対立させるものではない。公が個を支えている。
『毎日かあさん 3 背脂編』 西原理恵子 毎日新聞社 '06/04 [読書 漫画・エッセイ]
評価 ★★★★☆
<内 容> 「MARC」データベースより
サイバラ母さん、大概のことに動じなくなり、貫禄つきました。
『毎日新聞』連載「毎日かあさん」第3弾。
やなせたかしとの同郷対談やニューキャラ「ぴにゃりくん」、
実録サイバラ「父の名前」等、描き下ろしもたっぷり収録。
<感 想>
『恨ミシュラン』からこっち、サイバラ作品は麻雀モノ以外全部読んでます。
この人、本当に変らない。もちろんとても良い意味で。
ピリっと少し毒のある観察眼は、ご自分の子供達に対しても健在。
プラス、おさえても溢れてしまう家族への愛情が作品のそこかしこに
現われていて、爆笑しながらも気持ちがポカポカします。
うん、“かあさん”にならなっても良いな(かーちゃん、でも可)